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枡の大きさと縁起物


日本に限らず世界中で長さ、重さ、体積をはかるためのいろいろな単位があります。
日本では古くから枡を利用した大きさの単位があります。
枡には升(しょう)、合(ごう)、勺(しゃく)といった単位があります。
奈良時代にはすでにあったと言われていますので、日本では古くから親しまれていた道具であると言えます。

日本の一部の地域では、一升餅と言って、子供が生まれて1歳の誕生日に、
一升分のお米で餅を作ってお祝いをします。
これは一升と一生の読み方が同じことから、一生食べるのに困らないように、
また、一生健康に過ごせるようにといった願いを込めてお祝いしたことから始まったと言われています。

また「マス」は「増す」と同じ読み方で「福が増す」と通じるということで、
結婚式の席礼などにも利用される縁起の良いものです。
ヒノキなどの高級な材質を使って新郎新婦の名前を入れたオリジナルのものを作るのも人気があります。
本来は穀物を入れる道具であるのと、「増す」という増えるという意味の言葉と同音であることから、
「食べ物に困らない」や「福が増す」という良いイメージを連想して、縁起が良いものとなっているのでしょう。

道具として使う機会は減ってしまっていますが、升や合のような単位を普段よく使っていることや、
お祝い事にも利用されていることを考えると、改めて「枡」というものが、
単なる大きさを測る単位だけの意味ではなく、日本の生活の中に深くかかわっているものだと感じます。
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