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お酒と升とコップが組み合わさった小粋な盛りこぼしという飲み方


いわゆる下町にあります大衆的な居酒屋や小料理店、立ち飲み屋には独特な文化が受け継がれています。
今では一体いつ、誰が、何のために考案したのか分からない料理や食べ方、
お酒の飲み方などもあり、時代と共に流行ったり廃れたりと繰り返しています。
大衆的な居酒屋や小料理店を初めて利用した方々がいちように驚かれるのが、
コップと升が組み合わさってテーブルに並べられる光景です。

大衆的な小料理店ではそういったスタイルが古き良き時代からの伝統であり、
毎日通いつける常連さんの間では、お馴染みの飲み方です。
欧米流のバーを中心に通っていた方々には少々不思議な光景かもしれませんが、
コップはマグカップ、升はコースターと解釈すれば、それ程、妙なスタイルではないと分かります。

お店によって女将さんや大将が景気よくたっぷりと容器から溢れてしまう程に飲み物を注いでくれます。
それは常連さんまたは新規さんへのサービスですので、別に入れ方が下手というわけではありませんし、
面倒だから溢れしながら注いでいるわけでもないで、安心してください。
むしろ飲兵衛さんの間では、たっぷりと注がれ、コップから溢れだした状態こそいなせな様であり、
俗に盛りこぼしといった名前で呼ばれています。

盛りこぼしの飲み方は基本的に自由です。
先にグラスの中身を減らさなければいけませんので、最初の手順は皆共通ですが、
ある程度、飲みきったら、後は本当に各々の好みで嗜めば良く、
グラスから升に残った量を早々と移し替え、檜の薫りを満喫しながら、肴を嗜む通な男性も多いです。
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