升という漢字のあれこれ
主に液体や米などの計量単位として用いられる字です。
元となった象形文字は、ひしゃくとその中に入っているものを表したものです。
計量単位としては、1合の10倍、1斗の10分の1、1.8039リットルになります。
ちなみに1斗の4倍は1俵、昔でいう米俵1つの量で、10斗で1石、これは大名の石高を表す単位です。
一杓、一合、一斗等と合わせて、量が増えていくことから、
日本語では「増す」意味を込めて「ます」と呼ばれるようになったと言われています。
一方、ひしゃくはものをすくって持ち上げる道具なので、この漢字には「のぼる」という意味があります。
日が昇る、上昇する、昇進する等の「昇」という字がありますが、これは後から変化した字であり、
本来古代中国ではこの意味を表すのに「昇」ではなくこの漢字が使われていました。
いろいろな熟語にも入っていますが、中でも「世の中がよく治まっていて平和な様子」を表す「升平」は、
古来より文献によく見かけられる言葉です。
また人の名前にも使われる字で、苗字では「ます」、下の名前では「のぼる」と読むのが一般的です。
芸能人にも時折この苗字や名前の人が見受けられますね。
このようにおめでたくて勢いのある名前を持つ「升」は、まさに結婚式等のお祝い事や、
会社の設立等の新しい事を始めるときに用いるのに、うってつけの道具と言えるでしょう。