8勺の枡という手頃さ
大きさの別以前に、何気なくよくみかけるサイズについても、あまり意識されないものです。
普段雑貨店などで一般的に置かれているものは1合サイズです。
だいたいコップ1杯弱の容量に当たり、酒や米の量の目安としてなじみのある単位です。
ではこれ以外のサイズの枡というのはどういうものか、というと、
イベントごとで1合より大きくしたものが目玉として展示されることなどが多くあります。
しかし、意外な盲点が1合よりも小さいサイズです。
合の下の単位には、合を10分の1に区切った勺(しゃく)という単位があります。
勺単位別のミニサイズというものも存在するのです。
中でも、かゆいところに手が届く感じの大きさが、8勺です。
1合よりひとまわり小さいだけのサイズです。
そんなに違わないようにも思えますが、容量にするとLたまご1個分程度(36ml)、1合よりも少なくなっています。
例えば、セロハンテープの12ミリや8ミリの細かい違いが、
用途や印象を変えるように、2勺の違いは大きいものです。
1合サイズが広く普及している分、少しの違いでも、手に取ったとき、
何だか小ぶりで持ちやすい、という好印象を与えることができます。
小さめだけれど、おもちゃのように小さすぎることはない、という手頃さが、8勺サイズの最大の強みです。
実際に容器として飲み物を入れるにも、飾っておく場合でも、
よく見かける1合サイズより控えめで品の良い印象になります。
意外と知られていない手頃サイズな小物として、8勺は興味深い大きさといえます。